福岡アジア文化賞の人々

ドナルド・キーン、ラヴィ・シャンカール、巴金、李基文、ジョゼフ・ニーダム、ククリット・プラモート、中根千枝、川喜田二郎、辛島昇、竹内実、衛藤瀋吉氏ら受賞者が語るとっておきの話「私の道｣「私の転機｣「私の中のアジア」

序−発刊によせて

　福岡は、２０００年以上にわたり、海を舞台にアジアの文化の交流窓口として大きな役割を果たしてきました。このような福岡の個性は、アジアから学んできた文化交流の歴史に求めることができます。この個性を生かして、福岡市で１９９０年に創設された福岡アジア文化賞は、今年の授賞で第10回の節目を迎えます。それを記念し、第１回から第９回までの受賞者が語られた内容をまとめて一冊の本として発刊することとなりました。
　これは、授賞式に参加されるために福岡に来られた受賞者の皆様が、直接福岡市民へ語られたそれぞれの記念講演をまとめたものです。なお第９回は、受賞者が一堂に会して語り合う受賞者フォーラムを開催しましたので、それを基にしております。各受賞者の生い立ちや人生の転機となったこと、アジアへのそれぞれの思いなどを、ご自身の言葉で語っていただいたもので、いずれもアジアの知性を代表する受賞者の皆様の知られざる一面に触れることができる大変興味深い内容となっています。
　それぞれの受賞者が感じて来られた世界、人生への取り組み、それらは、次代を担う若い人々にこそ伝えたい魅力あふれるメッセージとなっています。この本が、これからの日本、そしてアジアを考えていくうえで、きっと貴重な示唆を与えてくれることと確信しております。
　なお、贈賞理由、プロフィール等は、授賞当時のままとさせていただいておりますことをご了承ください。
　発刊にあたり、ご協力いただいた関係者の皆様に、この場を借りて心から感謝申しあげます。　

平成11年９月